味覚障害、術後半年のレポート。

ちょっとした事でかなりのストレスがたまる。
原因は分かっている。
食事、せっかく出してくれているものを残しては捨てる。


味は塩味と苦味、酸味が少し感じられて、飲み込むのに水分が無いとかなり辛い。 卵かけご飯はかなりありがたい。 肉は油が含んでいるからまだ食べやすい。

魚は生臭さと、焼き魚はカサカサして飲み込みづらい。刺身は油の固まり。醤油山葵を沢山つけないと。 煮た魚も鼻につく生臭さが耐えられない。
揚げ物はもっての他。
甘味も全滅。油の固まりか食感が耐えられない。 退院してから、ご飯を食べられるようになった時は凄く感動した。
人間の欲って天井が無いもので、食事の欲は日に日に募る。

今はとくに甘味ものが欲しい。和菓子、スナック菓子、チョコ、ビスケット、アイス、どれも油の固まり、喉越しも悪い。 フルーツも同様で、少しでも酸っぱいものは酸っぱいしか味がしない。 バナナは油の固まりだった。 甘味が取れないと、ストレス溜まると言うが、本当に溜まる。

鍼灸医の治療でできる範囲でと渡された体操と顎のマッサージ方法。
体操は毎朝朝のウォーキングの休憩中に行うようにしている。顎のマッサージは風呂に入っている時によくやっている。
そんな中でもガムを噛むというものがあった。

ガムは唾液の水分が混じって柔らかくなって噛み続ける事ができる。鍼治療のおかげもあって確かに唾液は少しは出るようになった気がする。味覚も唾液が出ないことには回復することもないらしい。
ガムを噛むことは「味のない溶けないキャラメルを延々と噛んでいる」というどんな苦行だよと思うほど。しかし、これが唾液を出すにはよいらしい。舌を動かす、舌を頬に押し付ける、唾液腺の刺激と咀嚼、飲み込みを促す、だそうだ。

ガムを噛む話でいつも思い出すのが、あしたのジョーの水を飲まない話。ガムを噛んでも水分がでないから、ガムが硬いままになる。同時にはじめの一歩でも干し椎茸を唾液でもどして吐き出すという話も思い出す。

体重を維持する為に食べない、飲まないじゃなく、体力をつける為に今は食べろ、飲めと、人間には普通の欲求である「食事」がこれまた苦行になっている。

なんでもいいから今は甘味が欲しい。本当に気が狂いそうになる。
食べればいいじゃない、いや、味がしないと食にならない。それは食べたことにはならない。

今は普通の料理をその味で味わいたいものだ。

徒然なるままに。